2008年05月19日

口や足で絵を描く

SANY0009絵画展.jpg
「懐かしいなあ、この辺の道。わっしょい、わっしょい叫びながら防具つけて走ってたんだよな」

みなさん、こんにちは、かんです。

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2008年01月25日

それから。これから(1)

ブライアン

それからの話。そうだな、どこからいこうか。

先ずはひとり、その後に出会った日本の友人を紹介するよ。
名前はね、友達だからあだ名だな、まーちゃん、ていうんだ。機会があったらいつか伝えようと思っていたんだな。
なんでかって?
言われてみると、そうだな・・彼との出会いはそう、授産施設(シェルタード・ワークショップ)のような場所、とある「作業所」とよばれるところの玄関口だったのだが、第一印象、その姿にブライアンに似たものを感じたからだろうな。
覚えているだろう、胴長短足顔でかのへんな東洋人が現れて、ブライアンのこと「とっちゃン坊やみたいだ」とのけぞっていた瞬間を。あの時はお互い異様な警戒と緊張の渦巻く中、終いにはその糸がプツンといって笑ってしまったよな。

「ん?こんにちは」
夕暮れ、あれは春の日だったかな。
二階建てアパートの一室。その狭い玄関口で、一日の仕事が終ったんだろうね、彼はこれから自宅に帰る支度をしていたよ。ビリビリビリビリ、なにやら運動靴のマジックテープを閉じたり剥がしたり、せっかく履き終えたと思ったら、もったいない、また靴下まで脱ぐと今度はそれをかじったりぶんまわしたりしながら、三和土に座り込みねっぱっていたんだ。

「フンガッ、ゴゴッ!」
「ごめんな、ちょっと横を通させておくれ」
「フンフン、ハアアッ!ゴゴッ!」
機嫌が悪いのか?
いや、そうでもないようなんだ。はて、いつまで続くのか。どいてくれなきゃ上がれない、さっさと外に出てはもらいたいのだけれど、なぜかそれが実に似合っているようにも見えてしまってな。
悠久の時間。その中での楽しみ、いや、顔を見るとそれはもう楽しくなんかはないのかもしれないが、やらなきゃ気がすまない必要なこと、彼にとってはその一つでもあるような・・うーむ。とことんミルクティーを味わうブライアンならわかるだろう?
「おおお!なっ、なんてこったあー、チ、チキン、このチキンめっ」
ははは、そうだろう、アルフレッドなら手伝いたくなってしまうよな。
この辺りも気が合うんじゃないかと感じてな、紹介をしておこうと思った訳だ。
「うう、ワキワーキー・・コッコオッ!」
大丈夫。メアリー、青ざめなくていい。凶暴ではないから安心をして、ブライアンもフフフフ笑っていておくれ。

驚きかい?
これなのだけれど、そうなんだ。ビィラマリアでの過ごした時間、やっぱりそれがあったからなのだろうな。
特筆したいものが何もなく、その感覚の方が新鮮で少し驚いていたよ。
ああ、素直な世界は共通なんだな。
ふわっとする嬉しさの確認はあったけれどね。
衝撃がない、新鮮味がない、ということ関しては、困ったものも感じている。
今、出てくる言葉たち、伝えようとするものがこうして片っ端から気の抜けた、スルスルスルスル、なにかもうよた話一歩手前のような姿になってしまうからだ。
まあ、みんなに伝わればいいとして、・・あ、だんだん目を閉じ舟を漕ぎ、アルフレッドは眠くなったら寝ておくれ。

ところで、まーちゃんのおれへの印象はなんだったと思う。
答えはね、靴下に集中をしていたその手を休めて顔を上げ、目が合った瞬間の一言。
きっぱり、はっきり、
「運転手さんっ」
だ。
なぜかって?
多分、迎えの者にでも見えたのかもしらん。
「ヘエエイッ!アウアーイー?アアウー?」
シャリーン、今疑っただろう。ところがどっこい、Tシャツ、短パン、サンダル履きではない。
実はその時、ちゃあんとネクタイを締めていたんだ。そうインタビュー、面接のためにね。

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2008年01月22日

走る走る

マラソン1.jpg

「はあ〜食べ過ぎました。参加します!」
「ありがとうございます!あの、それでどうも当日なのですが、これが予報では雪になりそうで、ええ、様子を見ながら2人一組のペアなってもらいまして、はい、そうです一周5キロに。中止の場合は翌週に延期を、またホームページのほうでもお知らせをしていきますので確認をよろしくお願いします」
「了解。では土曜日に」

みなさん、こんにちは、かんです。

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2008年01月17日

話はまだ始まらない

あれから三年。僕は再びヴィラマリアを訪れた。
事前に連絡はとらずにふらっとやってきた。飾り付けや、ポスターの制作は結構大変なのだ。
家の前、いつものところに車をつけ、家全体を眺めて見る。
驚くほど何も変わっていない。
家のまわりの掃除も行き届き、芝生も綺麗に刈り込んである。そんなことがつい気になってしまうのが自分でもおかしかった。
懐かしさというよりも、つい昨日までここにすんでいたような錯覚を覚える。
この家の中に、今頃は仕事から戻ってきてテーブルを囲み、紅茶を飲みながら一休みしているみんながいる。
想像するだけでやけに嬉しい。
リンゴーン・・・。
ドキドキしながら、初めてこの家の呼び鈴を鳴らしたことを思い出す。
さて、どうなるのだろうか?
その呼び鈴には、知らない女性が出迎えてくれた。
事情を話すと快く扉を開けてくれたので、そおーっと中に入る。
家の中も記憶のままだった。
ダイニング・テーブルの隅には飲みかけの紅茶カップ。揺り椅子にぶん投げられたリュックからは、切り抜いたクロスワード・パズルがのぞいている。
「へエイ・・・・・・ウワァーオ!アウアーイー?」
懐かしい顔が飛び出してきた。
ああ、久しぶりだなあ、この「へエイ」ってやつを聞くのは。
「ねえ、シャリーン。この人のことを知っているの?」
シャリーンは吹っ飛んでいくと、ピアノの上からフォトスタンドを取って来た。
ブライアンの退院祝いにみんなで撮った写真だった。
「シャ、シャーリーン、なっ、なんてこったあー!おれ、つかまえたあー。よおおおっ、みっ、見ろっ!友達だあー」
「エイエイエイエイッ!分かってる、へイッ!」
緑のチェックシャツのアルフレッドがガバッと抱きついてきて背中をはたく。
あっ、また洗濯しないで着ているな。
「ブッ、ブライアン、こっちだあー。ブライアン!」
「・・・・・・」
「みっ、見ろっ、ブライアン。とっ、友達だあー!チッ、チキン、このチキンめ」
アルフレッドの呼び声に、居間の方からてこてこやってきたブライアンが、少しポカーンとした後、テーブルについて静かに紅茶を飲み始める。
「・・・・・・」
あれっ、おーい、おれだよ。忘れちゃったかな?
「フフッ、フフフッ・・・」
おっ、嬉しいな、覚えていてくれたんだ。
「ウッ・・・・・・ウウウッ。へイッ、シャリーン、コッコオ」
「へエイッ!やめろやめろっ!アウアーイー」
うわー、やっぱりそうでなくっちゃ!
騒ぎを聞きつけ階段を駆け上がってきたメアリーが、僕の顔を見た途端、あわてて階段を駆け下りていく。
紅茶をご馳走になった後、帰り支度をしていると、ふらふらと近寄ってきたブライアンが、僕のコートの袖をしっかり握って離さなくなった。一生懸命、焦点の定まらない目をパチクリさせながら、こっちを見上げて笑っている。
みんな相変わらずだなあ。
ブライアン、メアリー、シャリーン、アルフレッド。
僕は幸せ者だと思った。
彼らと出会えて・・・・・・。

あとがきを久しぶりに読み返して、そう、これは2000年の春先のこと。
書き終えたのは平成十五年(2003年)の11月になっている。

今日から僕は・・・
嫌われ者
すれちがい
ブラック・チキン
女神達の憂鬱
開かずの扉
ブラッド・テスト
不思議な夜
神頼み
男の約束
闇の音
見えないチカラ
激突
二ドル二十五セントの駆け引き
暖かい雪
ハロウィーンの夜に
ダブルパンチ
さすらいの便所男
ダンシング・クイーン
クリスマスの奇跡
特別な日
虹色

目次に続いて、

素直に生きてごらん!
知的障害者と呼ばれる彼ら。みんな個性的。そして自分勝手。
でも、みんな優しくて、みんな自分の世界を生きている。

表紙の帯にある言葉。
これは、みんなと過ごしたことで、恐る恐る、失敗失敗、自分の中にある偏見が崩されていく中から感じたこと。だれかに伝えたかった、残しておきたかったのは、見せてもらった素直なままのその世界。知らな過ぎたからこそ知った時の驚きと、心の中がどこか楽になった気持ち。
あるがままでいい、せっかく人間に生まれたんだから。
世の中にはこんな世界もあって、そして全然悪くもない、まだ覗いたことのない人や、生きることに息苦しさのようなものを感じる人へ宛てたものだった。

知らないものへの恐れというのは、誰にでもどこにでもあるものなんじゃないかと思うんだ。なんでもそう、接する環境がもとから身近にあれば、普通のことなのだろうけれど。
障害というものについてもおなじに思う。それは体のことだったり心のことだったり、生まれつきのものもあれば中途によるもの、意識をするようになってみると、いろんなものがあることに気づく。
縁があったりなかったり。一人の人間が体験できることに限りはあるもの。経験や思いを伝えてくれる人、残してくれる人、様々な立場からの声がもっと上がっていかないかな。知らなさからくる怖れ、自分にはいくらでもあるだけに、気の合う者にどこかで自然に出会えたら、その時は話を聞いてみたいと思う。

マイノリティ。知的障害者と呼ばれる人たちに接することへと、恐怖や抵抗を感じる人に、自分は途中から和らいだ者の視線で、行きつ戻りつ思うところを伝えていこう、最近、そんな意識を固めている。
先入観は、良い方へと傾けておけるに(これがあるとないとでは、えらい違いなんだよ、な、メアリー、シャリーン)越したことはないからね。
だれかの興味の置き所、お互い様で、知りうるチャンスが広がるといいな。



タグ:福祉 障害者
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2008年01月13日

話はなかなか始まらない

「フフフッ、フフフフフフフ〜・・」
「ヘエエエイッ、ヤメろ!アウアーイー、アアウ?」
「なっ、なんてこったあ〜、チキンッ!このチキンめっ!」
「ワキワーキー、コッコオッ!」

長いクリスマス休暇も終わって、今頃は何をしているのだろう。あの大きなツリーの片付けはもう済んだのだろうか。

ブライアン、その後、心臓の持病はどうだい?おれはまだ、あの手術の時のこと昨日のことのように覚えているよ、傷口、大丈夫かい?頼む、フフフフ、ミルクティすすっていること願っている。
メアリー。櫛のとおり、髪の調子はどうだい?心許せる優しいアシスタントに巡り会えて極度の貧血、治まっているかい?真っ青な顔じゃあせっかくのお洒落も台無しだ、「ワーキワーキー」メアリーは笑っている方がいい。
シャリーン。最近パットは何をしている?そして今日は何に対して怒ったんだ?あのな、おれは近頃怒らんよ、けっこう丸くなって・・「ヘイッ!やめろっ!」ばれたか、しつれい。どうでもいいけど、まさか弁当箱はでかくなっていないだろうな。食い過ぎには注意な。
アルフレッド。何歳になったんだろう?おれもうすぐ35に成るよ。「おお、なんてこったあー!チ、チキンめ」パワフルだけれど出会ったときも家の中で一番の年長者だったよな。さっき散歩に行って空見たら、細い三日月が出ていてな。雪はないけど冬本番だ、寒くてポケットに手を突っ込んでいる。時差があるんだよな、あとでそっちの晩にでも見上げてやってくれ、できたらその時「今どこに。流れ着いた先、元気かな」これ、リーンにも伝えておいてやっておくれ。頼んだぜ、ビッグブラザー。

十年一昔、日本の表現にこんな言い回しがある。年々流れは早まっているようなところもあるから、当てはまらなくなっているのかもしれないけど。それにしても広いよな、ゆったりしている。カナダにも似た様な感覚あるのかな?
まあ、あれだ。
なんやかんやで生きてりゃ皆平等に、年を重ね、経験を重ね、
楽しいこともあれば辛いことも。
体にボロなんかも出てきてるのかもしれない。けどな、どんな姿になっていようが、変わらずにいることはわかっているよ、みんなに関しては。その心の中は。
短い間だったけれど、あのとき過ごしたあの時間、あの空間、やっぱり教わったこと、大事にしていることってのが、山のようにあるんだな、おれには。
ちょろちょろ語りかけている様な場面もけっこうあってな。みんなには話したいことがたくさんある。
心ん中の継ぎ接ぎのようになるけれど、
この場を使って、見たものや感じたもの、その後に出会えた者たちのことなんかを、そろそろ連ねていってみるよ。放っておくと忘れちまうかもしれんしな。埋もれているのを思い出したら書くかもしれない。まあ目を通しておいてやっておくれ。
タグ:福祉 障害者
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2007年12月14日

町の印刷屋さん

インクSANY0108.jpg
「いや、これは中が・・とにかく思っていた以上にすごい広いんで驚きました。こちらも確か昭和40年代後半に作られた施設に?」
「ええ、30数年になります、その間に徐々に地域に根付きながら広がりを。ここの暖房などもスチームを管に伝わすようになっていて、以前はですね、この階は生活の場としても使っていたこともあるんですよ。まあ建物自体は古いのですが改装を重ねながら保っています」

みなさん、こんにちは、かんです。

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2007年10月01日

時の流れ

げたばこSANY0086.jpg
「ああ、昭和47年かあ。じゃあ、おれと同じ頃に生まれた場所なんだな、ここは」

みなさん、こんにちは、かんです。

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2007年08月24日

思ったこと、メモ

sanpomichi.jpg
「なんだかここに書くの久しぶりだなあ・・うん、ひさしぶりだ。よし、この辺の話はカテゴリーを分けて雑談の方で、っと。」

みなさん、こんにちは、かんです。

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2007年04月18日

ちがった一面

proSANY0018s.jpg
「いやぁ、これがね再来週になるんだけれど、そう、ヤナ○とアキ○がすごく楽しみにしていてね、今回どうも頼めそうな心当たりが、そこでこの白羽の矢、悪いけれどひとつ、うん、なんとか叶えてやってもらえないかなぁ」
「ありゃあ、そういえば好きそうだったもんなあ。ふたりともしばらく会っていないし、自分でよければ」
「よかった!それじゃあチケットの方はすぐに送るからね、ありがとう。喜ぶよ」

みなさん、こんにちは、かんです。

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2007年02月20日

情報リテラシー

SANY0010dots.jpg
「(おっ、○○○ちゃんだ)お〜い、かんだけれど、こっち、ここ。ん?バス乗んの今?」
「よう、かんか、ひさしぶり元気か?そっちはどこいくんだ?」
「おりゃあ帰るとこ、出かけ?」
「ああ、ちょっくらな行ってくるわ、今から」

みなさん、こんにちは、かんです。

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